切恋~First Love~



あたし達レベルに作られていて、簡単な基礎問題ばかりが並べられたプリント。


テスト勉強を頑張ったから、理解している問題がほとんどだった。


だけど全くと言っていいほど集中できていない今の頭では、どうしてもあと一歩のところで突っかかる。


ここ佳耶と流菜ちゃんと一緒に解いたのに・・・。


どうやってやるんだっけな・・・。


そんな問題が飽きるくらい出てきた。


それでも無心でシャーペンを動かして、なんとか終わった。


何時間も座りっぱなしだった体を、座りながら思い切り伸ばす。


その時にコキコキと、いくつかの関節が音を奏でた。


プリントを終えたその頃には、夏だからまだ空は明るいものの、夕方特有のカラスの鳴き声が飛び交っていた。


周りの人も終わってたいり、まだだったりと毛色がまちまち。


何十枚もある分厚いプリントを抱え、先生のところに提出しようと列に並ぶと、


「あ、南美ちゃんも終わったの?」


最後尾に尾崎君がいた。


「うん、適当だけど。尾崎君も?」


「うん、ウルトラに適当」


・・・・・・相当適当なんだね。


その後、若い女の先生にプリントを出し、鞄を持って教室を出た。