そう思っても、どうすることもできない。
だんだん静かになっていく教室。
尾崎君とかも真面目に補習プリントやるの?
こんな時だけ真面目なのかよ!
仕方なく、あたしもプリントに向き合った。
だけど全然集中できない。
できるはずがない。
頭の中から、神崎涼が消えてくれないから。
神崎涼のオレンジがかった金髪を思い出すたびに。
神崎涼のきれいな瞳を思い出すたびに。
神崎涼の艶っぽい唇を思い出すたびに。
神崎涼の手を、
神崎涼の着崩した制服を、
神崎涼の耳に何個もついているピアスを、
神崎涼の全てを思い出すたびに・・・・・・。
どうしても会いたい。
どうしてもひと目見たい。
すぐ隣の教室にいるのに。
何をしているのか、誰と話してるのか。
何でこんなに気になるの・・・。
違うことを考えようとすればするほど、頭から離れない。
強く、頭に焼き付いてしまうんだ。



