切恋~First Love~



よく言えば前向き、悪く言えば開き直りに近い決意を固め、配られたプリントを後ろにまわした。


「今日の課題を終わらせた奴から帰っていいぞー」


その先生の言葉でやる気を出す生徒と、諦める生徒。


あたしは確実に後者だと思う。


・・・無理だって、絶対。


何枚プリントあるのさ。


どんどん配られてくるプリントを眺めながら、やっぱり考えてしまうのは神崎涼のこと。


隣のクラスで今、何をしてるのかな。


もしかしたら・・・・・・セフレと仲良く話してたりする?


成績が悪い人が集まるんだから、神崎涼や尾崎君の知り合いも多いはず。


目の周りが真っ黒な女の子とか、髪の毛がパッキンキンの女の子とか、無駄に露出が多い女の子とか。


ふとあたしのクラスを見渡してみると、そういう女の子が少なからずいた。


なんでさっきまで全然気付かなかったんだろう。


男の子もそういう感じの人が多い。


レベルでいうと、流菜ちゃんのクラスが1番成績がマシなクラス。


2番目がこの、あたしと尾崎君のクラス。


1番大変なのは、神崎涼達のクラス。


神崎涼のクラスには、もっとたくさん怖い人達がいるんだろうな・・・。


そんな化粧の濃い女の子達と神崎涼が話してると考えると、無性にイライラする。


今すぐにでも、隣のクラスを覗きにいきたい。