あたしのテストの点数を聞いて、鬼のような顔をしたのはもちろん佳耶。


「あれだけ頑張って理科が44点ってどういうことなの!」


「だってー!あたし理数無理なんだってば。ほら、でも数学はすっごい上がったよ!」


「まあ、南美にしてはいい方だけど・・・」


そう、毎回30点台を余裕で叩き出していたあたしにとって今回の結果はかなりの好成績。


そりゃあ佳耶にとってはレベル低いかもしれないけど。


正直数学に関しては、前回が20点台だったからかなり飛躍的な成長と言っていい気がする。


「・・・あたしやれば出来る子だね」


「南美、ナルシ入ってるよ」


「えっ」


心の声が・・・。


「南美ちゃんナルシストなの?」


「そんな顔してんじゃん」


「え?あ!うるさいぃぃー!」


通りすがりに佳耶の言葉を聞いた、神崎涼と尾崎君がすかさずコメント。


コメントいりませんよ。



  *  *  *



目の前で神崎涼と話している佳耶を見て、ふとこの前のことを思い出す。


あのあめは佳耶にあげようとしたんだけど、結局自分で食べたんだ。


南美がもらったんだから、って。


佳耶と神崎涼は順調・・・・・・なのかな。


けど・・・。


あたしがこの時、あのくじを引いてなければ。


これからの日々、あたし達の想いがこんなに絡むことはなかったのかな。