切恋~First Love~





「暇ぁああぁああぁぁ」


何度この言葉を叫んだのだろう。


昨日と今日だけなのに、両手両足だけではすでに数が足りない。


せっかくの休みを無駄にした、土曜日と日曜日だった。


藤井南美、ケータイは心の友だと実感しました。




休みが明けた月曜日の昼、お弁当を持って3人で中庭に行く。


いつものように3人で騒ぎながら歩いていた。


今日のお弁当の中身はなんだろうな~、なんてのんきな事も考えていた。


あたしは忘れてたんだ、金曜日の佳耶との話を。


古びた木製のベンチに座ると、ベンチの軋む、聞きなれた音がした。


唐突に佳耶が話し始めた。


「・・・あのさ、いきなりなんだけど、南美と流菜ちゃんに聞いて欲しいことがあるんだ」


・・・・・・あっ。


頭の片隅に追いやられてた記憶が呼び戻される。


あの時の話・・・だよね。


「なぁにー?」


流菜ちゃんが即座に反応した。


「うん・・・あのね・・・?もし、あたしに・・・好きな人ができた、って言ったらどうする?」


すすすすす好きな人ー!?


佳耶にー!?


恋の悩みのお話だったの!?