切恋~First Love~



「うんー?」


あえての空気を読まない行動。


こういう雰囲気の時、どう接していいか分かんないから・・・。


「あたしさー・・・南美に言いたい事あるんだ・・・」


「言いたい事?」


「うん・・・」


あたしの頭にハテナマークが浮かんだ。


佳耶の言いたい事が気になるのはもちろんなんだけど。


佳耶の様子がいつもと違う。


強気ないつもとはうって変わって、困ったような、何とも言い難い笑顔をつくっていた。



その後の帰り道、佳耶はずっと悩んでいるみたいだった。


「聞いたら南美びっくりすると思うよ・・・」


とか、


「びっくりしてもいいけど、ひかないで欲しいかな」


なんてことを、ずっとあたしに言っていた。


何がそんなに不安なんだろう?


でもあたしなりに配慮して、それは言わなかった。


言ったら佳耶に無理強いさせちゃうと思ったから。



「南美」


いつもの分かれ道。


「月曜日、流菜ちゃんもいる時に言うね?」


結局、何も分からないまま佳耶と別れて家に帰った。