切恋~First Love~



・・・・・・。


「あー、めんどくさいよー!」


初めに愚痴をこぼしたのはあたし。


10クラス中から自分の名前探すなんて大変すぎ。


「倉・・・倉、倉橋・・・」


佳耶はまだ頑張ってる。


「・・・倉橋、倉橋佳耶!あったー、7組!」


佳耶は7組かあ。


あたしも7組がいいなー。


「・・・あたしの名前ないんじゃない?」


ぽつり、あたしが言うと、


「バッカ、あるから!」


佳耶がすかさずつっこむ。


「ひとまずー、1組から6組までの中には南美の名前はなかったよ」


・・・後ろから見たほうが早いんじゃん。


そう思った時。


「あった!藤井南美!7組7組!」


・・・佳耶と一緒?


「うっそー!?」


「自分の目で見る!」


佳耶が指さした所は確かに『7組』と書かれたクラス表の中。


そして『藤井南美』と、確かにそう書かれていた。


「やったあぁぁー!!」


あたしの叫びは、雲ひとつない青い空に消えていった。