ある秋晴れの日。



俺らはまた屋上で話していた。



桃華はちょっと笑うだけですぐ深刻そうな表情に戻った。



ため息を何度もついている。



桃華が26回目のため息をついたとき俺は思い切って聞いた。



「なぁ……何か悩んでんの?」



桃華は一瞬目を丸くしたが、すぐニコッて笑った。



「なにも悩んでないよ?」



……まただ。



ニコッて笑って「なんでもない」「なんも悩んでない」。



もう……その答え聞き飽きたよ。