少女マンガによくある設定をぶち壊そうと思えばいくらでもブッ壊せる。 そもそもウチの学校に屋上はない。 いや、あるけどロープ張られてて行けない。 そんで絶対、鍵がかかってる。 イケメンくんなんて早々居ない。 遅刻しそうだからってパンを咥えて走ってても素敵な誰かにぶつかることはない。 リアルはそんな感じだ。 素敵な落し物なんてどこにもない。 そう思っていた。 ――春になるまでは。