「最近、あったかいね」 額の汗を拭いながら、ハルはさらりとそう呟いた。 そう言われれば、水分補給のドリンクの量も増えたし、汗もよくかくようになった。 冬は物悲しくて嫌いだけれど、冬が去っていくのもどこかさみしい。 そんな矛盾したことを考えながら、ハルの呟きに耳を傾けた。 「どこかに行きたいね」 「旅行とか?」