―――――「ねぇ、もし私が、結輝が別れた理由知ってるって言ったらどうする?」
今日は、愛の入試の日だった。
帰ってきて、私と話していたら、急にそんなこと言われて…。
「言わなくていいよ」
私はそう言った。
今更知ったってどうこうなるわけじゃない。
それに、なんで私じゃなく愛には教えたのか…。
きっと、私はそれだけのものだったんだろうな。
………なんて。
ただたんに、理由を知るのが怖かっただけ。
私はいつも、簡単な方へ逃げてしまう。
だから、いけなかったのかな…?
過去は振り返らない。
好きなものは好きなんだ。
辛いことなんて思い出したくない。
心の中にいていいのは……
友達だった時の楽しそうな君と、付き合っていた頃の君の笑顔だけなんだから。