【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜

けど次の日、俺のモヤモヤは解決の方向に向かったんだ。


進学校のうちは、夏休みでも補習がある。

そんな俺たちの耳に、一つの噂が飛び込んできた。


『昨日の放課後、一輝が一年生の女の子とキスをしていた』


ありえねぇ話。

デマだってすぐに分かる。


それなのにキョンキョンはヘコんでて、ずっと上の空。

何でだよ…意味分かんねぇし。




補習中、一輝の回りは真実を確かめる女の子たちで溢れてた。

だから、そんな一輝が解放されたのは練習後。


俺は別に噂なんか気にしてなかったけど、今のキョンキョンを見てられなかった。


「一輝やっと落ち着いたな♪」


「そーだな」


一輝もかなり疲れた顔してる。


「お疲れ♪」


キョンキョンも気遣ってて、微妙な雰囲気。