「裕さーん♪」


「ぐあっ」


予選が近付くに連れ、裕さんもプレッシャーを感じてるようだった。

けど俺は、そんな裕さんの背中にいきなりしがみついた。


「爽!!てめぇ背骨折る気か!!」


裕さんにおぶさったままの俺は、もちろん笑顔で答える。


「そんな簡単に裕さんは折れないですって。それより、これからピッチング練習っすよね?」


「だったら?」


ピッチングと言っただけで、ピリッとした空気を放つ裕さん。

集中してるんだろうけど、こんな状態じゃケガする危険性もある。




「もし試合で打たれても全部俺が取るんで、わざと打たれてもいいっすよ?」


ここは嫌味っぽく言うのがポイント。


「……バカか。右に転がったら、お前じゃ追い付けねぇだろうが!!」


予想通りの反応。


「お前の手柄はないと思えよ!!」