「暑っ!!クーラーきくまで窓開けよっか」


由紀ちゃんの部屋は、熱気でムンムンしてた。

夏だもんな、当たり前だけど……


「暑いー!!俺溶けて消えるかも」


「あはは、球児が何言ってんのー」


「……球児…かー」


静かに呟いた俺に、心配そうな声を由紀ちゃんが出す。


「あれ?甲子園を目指す、高校球児でしょ?」


甲子園。

当たり前に由紀ちゃんが口にした言葉に、俺は違和感を感じた。




「由紀ちゃんごめん!!ちょっと気が変わったから、今日は帰るね」


「え!?爽く…」


「また連絡するから♪」


わざと明るく言い放って部屋を出る。

違和感のせいで胸が気持ち悪い。