【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜

「みんなの…バカ〜!!」


突然ベンチに響いた声。

選手みんな驚いて、声を出したキョンキョンに視線が集中した。


「この雰囲気何!?もう負けちゃったの?こんな中、野球しても楽しくなーい!!」


え?

まさかの出来事に誰も動けなかった。


「5点差は絶対どうにもならないの!?いつもみたいに……あたしの大好きな…みんなの野球……やってよ…っ」


涙を溜めながら、それでも大きな声を出すキョンキョン。

でもその姿が、俺らの心を動かした。




「………そうだ。マネージャーの言う通りだよな…」


キャプテンがボソッと発した。

それに続いて……


「…そうだ」


「うん」


「そうだなっ」


みんなの目に光が戻った。