【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜

「何か…元気もらえた」


少年がいなくなった方向を見ながら、ポツリと呟いた。

俺を応援してくれてる人…いるんだ。


「きっとあの子も元気になれたんじゃない?」


そんなもん?

あ、でも俺も昔…プロ野球選手のサインもらったときはうれしかったな。


こんなとこでも、支え合ってんのかー。




「今した約束から、俺のプロ人生は始まった気がする」


契約したときとも、練習に参加してるときとも違う気持ち。


「サインから?」


「そ。今のたった一球のサインボールから、やっと動き出した…」


小さい小さい野球ボール。

でもそれにはいろんな想いが詰まってる。


歩けなくなるまでずっと、ボールを追いかけてたいな。

そして、未来に繋げたい。


過去も今も未来も……

一球の野球ボールに全てを懸けよう。


明日も笑うために、野球ボールを握りしめるんだ…!!