【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜

本当にうれしそうにジッとボールを見つめる少年。

俺の心まで温かくなる。


「君、名前は?」


真ん丸の目を輝かせて、俺の質問に答えてくれた。


「高浦一輝です!!」


元気のいい答えを聞いて、愛衣と二人目をパチクリさせた。


『……ぷっ』


同時に吹き出した俺らを、交互に不思議そうに眺める少年。




「高浦一輝ねー。君、将来大物になるぞ!!」


ガシガシッと頭を撫でた。

こんな偶然ってあるんだな。


「俺、大村選手みたいなすごい野球選手になります!!」


一点の曇りもない澄んだ瞳。

きっといつか、俺なんか軽く越えてしまうんだろうな。


「じゃあ大きくなったら、俺と戦おうな♪」


「はいっ!!」


ギュッとサインボールを握りしめて、何度も大きく手を振りながら帰って行った。