【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜

「うわー!!本物だっ!!」


興奮気味の少年。

キスまであと1センチだったのに…。


「父さんに連れてきてもらってるんですけど、大村選手の大ファンなんです!!サインください!!」


「へ…?」


突然のことで驚いた。


そういえば俺…いつも朝から晩まで練習してっから、ファンにサインしたことないかも。

身内や友達には散々書かされたけど、純粋にファンって言われたの…初めてじゃないか?




「爽…?」


止まってる俺を心配して、声をくれた愛衣。


「よし、君は俺のファン第二号な!!」


「二号?一号は?」


「一号は俺の奥さん♪」


少年からボールとペンを受け取り、サインを書き上げる。


『ファン第二号に認定!!大村爽』


「わっ!!ありがとうございます!!大切にしますっ」