【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜

「キャー!!綺麗っ」


半分沈んだ夕日が、いつもよりも鮮やかに俺達を照らす。


「愛衣?一個だけ俺の願い聞いてくれる?」


「えー何?爽が呼び捨てにするって、めちゃめちゃ怪しいっ」


しかもたぶん今すげぇニヤけてるから、余計に怪しく見えるかも。

でも仕方ねぇんだ!!




「俺が愛衣のこと超好きなのは知ってんじゃん?」


「ふふっ…知ってるよ」


これからは、今の百倍大切にしたいと思えるから。


「愛衣も俺のこと大っ好きだろ?」


「そうかもねっ」


そんな愛衣への願いは、たった一つ。


スゥーッと大きく息を吸い込む。

質量保存の法則も無視!!


「俺の、かわいいかわいいお嫁さんになってくださーい!!!」


広い海へ俺の気持ち全部、吐き出した。

他には何も望まないから、だから…。