【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜

俺か声をかけようとした瞬間、振り返ったアイボン。

すると……


「あ、もう終わった?」


って予想外な笑顔をくれた。


「え…あ、ごめんっ」


パンッと勢いよく顔の前で手を合わせる。

もう夕方…。

一日をまた野球に注ぎ込んでしまった。




「……お疲れ様♪」


優しい声と共に、ヒヤッとした感覚が頬に当たる。

目を開くと、今買ったばかりの缶ジュース。


「楽しそうな爽が見れて、あたしも楽しかったよ」


プシュッと自分の缶を開けて、一口飲むアイボン。

怒られると思ってただけに、俺の驚きも半端じゃない。


そして、優しく笑うアイボンに胸がトクンって鳴る。


今まで出会った女の子は、野球より自分を優先しろだとか……

意味分かんねぇ子が多かった。


今更だけど…アイボンは違う。