【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜

「ははっ♪爽、それじゃ見学にきたのにかわいそうでしょ」


振り返ると、笑って近付いてくる励ちゃんがいた。


「俺が代わりに色々野球部のこと教えるから、爽は一輝と打ってきなよ」


励ちゃんが指さした方向には、ティーの準備中の一輝がいた。

そうだった!!


「うっしゃ!!励ちゃんありがとう!!」


そっからスーパーダッシュで一輝の元へ駆け付ける。




「一輝!!打っていい!?」


着いたと同時にバットを握ると……


「バカ。この寒い中、アップもせずに打つ奴がいるか!!」


当たり前のように一輝に怒られる。


「えぇー。今走ってきたじゃん」


渋々柔軟を始める。

ま、基礎は大事だよな…基礎は。


「つか一輝は?いつから大学に合流すんの?」


「俺は卒業してからにしてもらった。今からここ離れるのもなー…」


一輝のことだから別に心配はしてねぇけどっ。