【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜

「はい!!プロ野球選手なんすよね!?俺、めちゃめちゃ尊敬します!!」


尊敬…?

ふはは!!悪くないな!!


「おー!!分からないことは何でも聞いてくれっ」


得意げに言ったけど実は、誠二郎の手の平の上で転がされてるだけだった…。

完璧に都合よく。


「あ、そうすか?今日は見学だけらしーんで、色々教えてやってください。俺は練習戻らなきゃなんないんで」


なぜか返事したのは誠二郎。

そしてあっという間にいなくなった。




「うーんと…?」


何だこの状況。

俺、先輩だよな?

つーか、俺だって練習しにきたんすけど。


「中学ではどこ守ってた?」


「サードっす!!」


「お、まじか!!俺もずっとサード♪」


一気に身近に感じる。

やっぱサードが一番だしな!!


「知ってます!!でも俺、爽さんみたいに守れないっす。サード難し過ぎだし、バッティングもまだまだ分からないことばっかで…」