【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜

「サイン?爽が活躍しなきゃ、ただの署名だね」


微笑みながら、サラっと毒舌励ちゃん。


「しょ、署名って…!!」


「つか爽、いつからキャンプイン?卒業式はくんの?」


今度はサラーっと流した一輝。

一輝ってどこまでもマイペースだからな。


「行く行く!!皆に会えるの最後じゃん!!」


「最後かー。まだ卒業って実感湧かないね」


だよな…三年って超短い。

でも、すげぇすげぇ濃い。




「俺、この三年間を一生忘れないと思う」


たまに俺がこんなこと言うと……


「爽がまともだー」


って微笑んだ励ちゃんに、軽くバカにされるんだ。

でももうすぐ、友達とも別れなきゃなんないのか。


そう思ったらすげぇ寂しくて。


「励ちゃーん!!」


力一杯励ちゃんに抱き着いた。


「あはは。痛いってー」