【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜

「バカ爽!!てめぇだけ落ち込んでんなよな」


一人うずくまっていると、次々に皆もやってきた。


「お前のせいじゃねぇよ。つーか爽が打てないような球、俺じゃ百年懸けても無理だぞ?」


俺の頭をグシャグシャにしながら、ヅミが言った。

顔を上げて見ると、ヅミも目が真っ赤。




「そうだよ。ていうかそれなら、打たれた俺が一番悪いでしょ?」


同じように励ちゃんの目も真っ赤。


「違う!!励ちゃんは全然悪くない!!」


大声を出して反対する。

励ちゃんのせいで負けたなんて、これっぽっちも思ってない!!


するとニコッと微笑んだ励ちゃん。


「ありがとう。でも俺も皆も同じ気持ち。爽が責任を感じる必要はないよ」


ビックリした。

そしてなぜか納得したんだ。


だって、それがこのチーム。

……鈴一高校!!


そんな最高のチームとも、今日でお別れってことだよな…。