【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜

「しやーす!!」


土をならし、右のバッターボックスに入る。


バックスクリーンには、この試合の得点と選手の名前が表示されている。

その上には、気持ちよさそうに泳ぐ旗。


そういえば、今頃気付いた。


「暑っちー…」


夏の甲子園は死ぬ程暑いっていうけど、まじだったんだなー。

今まで試合に夢中で気にしてなかったけど、確かに溶けてなくなりそう。


そんな中、すげぇ観客。

こんな暑いのに、皆俺らを応援してくれてんのか。


すげぇな。

野球が今この瞬間を繋いでくれてんだよな。




まじで野球ってすげぇ。


だからこそ、勝ちたい。


応援してくれてる人のために。

チームメートのために。


もう後がないから、皆の声が地鳴りのように響いてる。

何で俺、冷静に考えてんだろ?