【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜

とにかく、この試合が終わるまではもってくれよ…!!


つーか、こんぐらいのケガ…スポーツやってれば日常茶飯事だし。

増してや甲子園まできたチームだ。

ケガしてねぇ選手ばっかなわけがない。


一輝だって、左手また痛くなってんだろ?

誠二郎も肩痛めてるし。


気付いてるけど、俺は知らないフリをする。

本人が言わないなら、俺が口にする必要ねぇし。




ケガのことを言ってしまうと、もう試合には出られない。

一人欠けることの大きさや悔しさを分かってるからこそ、ケガのことも皆黙ってる。


ここで俺が足痛いって言ったとして、広がるのは不安ばっか。

そんなの絶対嫌だし。


だから俺は、いつものように走る…!!


カキーンッ


「うりゃー!!」


一か八か、ファールゾーンへ飛び込んだ。