【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜

「爽…?」


この回は七番から。

いつもなら誰よりもデカイ声で叫ぶ俺なのに、ボーッとしてて一輝の声も耳に入ってなかった。


「おい、爽っ」


「おわ!?何!?」


驚く俺を見て、小さくため息を吐いた一輝。


「どうかしたか?」


え?あー…。

ここでやっと、自分が別のことを考えてたことに気付いた。




「いやー、全国にはすげぇ奴がいっぱいいるなと思って」


ここが甲子園なんだから、当たり前と言われればそれまでだけど。


「皆本気で野球してんだよな」


俺より上手い奴なんか、死ぬ程いるんじゃねぇの?


「バカか?俺らも本気だろ?」


そう一輝に言われて、少し複雑な気持ちになった。