【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜

一回は二点止まりだったけど、リードしてるってことで皆気持ちの余裕もあった。

それに、励ちゃんの調子もよかった。


だから、前半はうちのペース。

初の甲子園でも、俺ららしくプレーできてた。


もしかしたらこのまま…って誰もが考えたと思う。




けど、五回。


ついに励ちゃんが捕まり始めた。


もちろん励ちゃんが悪いわけじゃない。

相手チームの選手が上手いんだ。


予選とはまるで違う世界。


タイミングをキッチリ合わせて、野手の間を抜く打球。

地味だけど確実なプレーは、簡単にできるもんなんかじゃない。


「ナイピーッ!!」


それでもなんとか、点は入れられずにチェンジ。


いつものように全力でベンチに帰りながら、チラッと相手チームのベンチを見る。

アイツら皆、目がギラギラしてんだ。