「打て打て打てー!!」


ニッて笑って、俺は誰よりもデカイ声を出した。


「がんばれキャプテーン!!」


「一輝!!頼むっ!!打ってくれー!!」


チーム皆で一輝に全てを賭ける。


「ストラーイク!!」


今のでワンボール、ツーストライク。


足で軽く土をならして、バットを回して構える。

その姿が自然過ぎて、俺は一人勝利を核心したんだ…。




カッキーン!!!


そこにいる全ての人が、たった一つの野球ボールの行方を見守った。


希望と絶望を背負ったその野球ボールは、当然のように外野席へ入った。


『ワーッ!!』


『ウオー!!!』


言葉ではない叫びが物語っている結果。

逆転サヨナラ満塁ホームラン!!