【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜

「まず転がすことを考えろ!!強く打ち付けてこいっ!!」


興奮気味の監督。

監督だって、勝ちたいに決まってる!!


円陣が終わっても、じっと励ちゃんを見てる監督。

まさか…?


「れ…」


「監督!!」


励ちゃんに声をかけようとした監督の声を、俺が遮る。




「投手の交代考えてるんすか?」


真っ直ぐに監督の目を見つめる。


「……強豪校相手に粘り強いピッチングをしてるとは思うが、ここまで球数が多い」


監督が言ってることも、励ちゃんの疲れも分かる。

でも……


「俺は励ちゃんの後ろを守りたい!!」


励ちゃんの努力は知ってる。

すげぇ信頼できるんだ…!!


「……俺、最後まで投げます」