「続きはまた今度なっ」


がんばって余裕な顔をして、アイボンから離れる。

ふぅーっと一息ついたとき、後ろから小さなアイボンの声がした。


「……今度って…いつですか?」


「え?」


潤んだ瞳が、俺に訴えてくる。

真剣なその目から逃げられなくなる。




「優勝したらで…いいっすか?」


俺の口から出たのはそんな言葉。

本当はすぐにキスしたいのに、あえてその言葉を選んだ。


そしたら絶対、俺はがんばれるから。

緊張なんて忘れてしまうぐらい、夢中になれると思うから。


「じゃああたしも…優勝したら…話したいことがあります」


話…?


「そっか。じゃあ絶対勝たねーとな」


ニッて笑うと、いつもの優しい笑顔が返ってきた。


明日もこうやって笑い合えますように!!