「そうなんだ…」


キョンキョンに対してまでも、冷たい声で話す一輝。

そんなだから、キョンキョンが余計に心配になるんじゃんか。


「……そういうわけで俺は大丈夫だから、お前らは練習戻れよ」


その声には流石に俺も笑えなかった。

戸惑うキョンキョンと考え込む励ちゃんをよそに、俺はストレートに聞いた。


「ぶっちゃけ、一輝はこれからどうしたいんだ?」


これが俺のやり方。

いつだって全力で、真っ直ぐでいたいんだ。




「は?これからって?」


一輝の冷え切った目が俺に突き刺さる。


「これからと言えば夏の大会しかねぇじゃん?甲子園はもういいのかよ?」


「…………」


黙り込む一輝に励ちゃんも声をかける。


「今は治療に専念するべきだと思うけど、治療だけで夏を終える必要はないと思うんだ」


「今の一輝の気持ち聞かせろよ」