【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜





「ソウソウ!!」


木山にやっと解放されて、グラウンドに行くと……

いつもと違う光景に、一瞬戸惑った。


「キョンキョン…何これ!!」


「でかしたー♪」


バンッと背中を強く叩かれ、なんとなーく状況が飲み込めてきた。

もしかしてこの人だかりって……


「野球部の見学者?」




うちはこの辺り一番の進学校。

だから部活に入る奴は少ないし、ましてや野球部なんて問題外。

みんな塾や習い事で忙しいんだ。


「ソウソウの変な挨拶のお陰だねっ」


変なって…ひどい!!


「つっても面白半分の奴も多いだろうし、しかも…女ばっかだし」


ため息を吐きながら一輝が俺を見る。

おい、悪いのは俺か?


「って、ん?女?」


勢いよく回りを見渡すと、華やかな景色!!