【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜

練習が終わってから、キョンキョンと励ちゃんが話してるのを遠くから見てた。

いっぱいいっぱいになったキョンキョンが、励ちゃんに相談しに行ったんだってことは簡単に予想できた。


相手が励ちゃんだし、特に悪い予感はしなかったけど……

気が付いたら二人の元へ足が動いてた。


近付くに連れて声は聞こえるけど、内容までははっきり分からない。




「ソウソウのこと好きだけど、やっぱり一輝への好きとは違うんだ…」


やっと聞こえるとこまできたとき、胸が小さく波打った。

キョンキョンが一輝を好きなことは重々承知。


それでも気持ちを抑えられずに、俺の口から言葉が溢れた。


「今はそれでいいよ。絶対俺を好きにさせてみせるし」


「ソウソウ!?」


俺を見て驚くキョンキョンに、ゆっくり近付く。