【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜

「え!?あー…」


予想外だったのか、固まるキョンキョン。


「後輩の教育は先輩の仕事だもんな?キョンキョン」


俺は普段通りに話しかける。

別に気まずいなんて思わないし。


「へ!?あ、うん。そうだよねっ」


それだけ言って、急いで行ってしまった。


「ん?叶夏さんどうしたんだ?」


猛と誠二郎は不思議そうだったけど、俺は思わず笑ってしまった。




きっと今、キョンキョンの頭の中は俺でいっぱい。

一輝のこと考えて悩む暇なんて、ないんじゃん?


キョンキョンが俺を少しでも意識してるってのがうれしくて、やっぱり好きだなって思う。


なんだ俺、ちゃんと好きになれるじゃん。


キョンキョンが好き、今はその気持ちを大切にしたい。