【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜

「キョンキョンどうした?調子悪い?」


俺にできるのは、こうやって練習前に声をかけることだけ。


「ううん…大丈夫」


「顔色悪いぞ?今日は帰ったら?」


「ん〜…でもなぁ…」


悩むその顔を見たら、嫌でも分かる。

またかよ…っ。




「……もしかしてまた一輝絡み?」


聞きたくないけど、話して欲しい…。


「あのね…あたしと一輝はケンカしても、すぐに元に戻る友達ではいられるでしょ?」


「うん?」


「でもやっぱり…噂広げちゃってる女の子と何もかわらないんだよね…」


「…どういうこと?」


昨日や今日の小さなことで、キョンキョンはこんなに悩むんだな。


「女の子としては、一輝の特別じゃない。昨日一輝、あたしに女はめんどくさいって言ったんだよ?」