【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜

「昨日はごめん。明らかにただの八つ当たりだった!!悪い!!」


朝から手を合わせる一輝を見て、キョンキョンと顔を見合わせて笑う。


「…だって。どうするキョンキョン?」


「どうしよっか?」


「まじ悪かったって!!」


ははは!!

一輝、超必死だし。


「一輝のバ〜カ♪」


キョンキョンはすぐ笑って許した。


でも、どこか心の底からの笑顔とは思えなくて。

自分の気持ちに気付いてしまった俺は、そんなキョンキョンを見つめることしかできない。




だってキョンキョンは一輝が好きなわけだし。

俺がその気持ちに入り込めるわけないってのも、よーく分かってる。


だったら、キョンキョンを混乱させるだけのことはしたくない。


俺はただ、キョンキョンに笑って欲しいだけなのに。




俺は側にいることしかできないのかな…?