ゆっくりと上を向くと、心配そうに俺を見つめる神父がいた。
「思いっきりこけたみたいですが、大丈夫ですか?」

「……!」

人!?何でこんな森の中に…

「あのぅ…。」

神父の声に我に帰る。

「あっ、すみません…。大丈夫です。」

なるべく動揺がばれないように言った。


「あまり大丈夫そうに見えませんが…。」

と神父は俺の顔をじっと見つめる。俺の頬には、沙耶の血が少し残っていた。
俺は慌てて血を手で隠す。よく考えてみると、俺は顔には血が付いてるし服は汚れている。