村が近づいてくる度に、いろんなことが見えてきた。
まず、村人全員が集まっていること。その真ん中には,村長と沙耶の叔母さん。
二つ目は,俺たちと村のみんなとを遮るように立っている、武装された兵隊達。ざっとみると、7.8人はいるだろう。

俺たちは門の前に着いた。すると目があった門番のおっさんが、血相を変えて叫ぶ。

「拓、沙耶を連れて逃げろ!!」



「は?」

俺は言葉を疑った。