「……はい、できたよ。」

沙耶はすぐに手を離した。

「今回はそんなに乱れてなかったよ。毎回こうだといいんだくど。」
何故最後に嫌みを言うんだ。

「当たり前だろ?なるべく使わねーようにしてんだから。」

「ふふっ、そうだね。」

そう言って沙耶は俺の隣に移動する。

「早く、戦争なんて終わればいいのに……。」

沙耶はボソっと呟いた。

「直に終わるさ。だから今は精一杯生きようぜ。」

俺は沙耶の顔を見れなかったので湖に向かって言った。

「うん、そうだね。」

沙耶はコクンと頷いた。



この時から、悲劇の幕は開いてたのかもしれない。