俺は〈創造〉の力で鍵を生成し、手錠を外す。

「ふぅ、往生際が悪いね。」


駿河はわざとらしく溜め息を吐く。

「素直に従う方が、まだ可愛げがあるぞ?」
嫌だよそんなの。


俺は静かにツッコミを入れ、柚歌の方に向き直る。


「大丈夫か、柚歌?」

柚歌は今にも泣きそうな顔をして俺の胸に顔を埋めた。

「うん……ありがと。」

弱々しかったけど、確かにそう言った。