だけど、もし殺してしまったら?

俺の中に血の海が蘇る。

血の海に人が溺れてるーーあんな光景、もう見たくない……けどーーーー

「やるしかない…。」

俺は心を決め、帝国軍の方を向く。


帝国軍は止まった俺を不審に思ったのか、警戒しながら足を止めた。


ゆっくりだ。ゆっくり、力を少しずつ解放する。


俺の中で暴れようとする力はなく、少しだけ力を使えそうな気がした。

よし、いけるーーー

そう確信した時、俺から光が帝国軍に向かって放たれた。