「なぁ柚歌、彰は……。」


時計台の階段を下ってる途中、俺の質問に柚歌は振り向いた。
本当はもっと早く聞きたかった。けど想像以上の出来事が多すぎて、なかなかタイミングがつかめなかった。

言葉の先は続かなかったけど、何のことかわかったらしく柚歌は「彰は…。」と続けた。


「彰は大丈夫だよ。弾は急所を外してるし、〈破壊〉の影響もそんなに受けてない。あとは意識が戻るのを待つだけだよ。」
そう聞いて、俺は安堵の息をもらした。

…よかった、無事で。