「たけひろー、つきがきれーだよーう。ほらみてー!」


「お前なあ…いい加減にしろよ…」


居酒屋からの帰り道。
あたしは武紘の背中で夜空に輝く月を見ていた。

今日はまんまるの満月。

武紘はあたしをおぶって、夜中の坂道を歩いている。



話を数時間前に戻すと。