ほしいのはキミ





「っ…よし!間に合った!」





あたしたちはギリギリ門が閉まる前に学校へ入れた。







とは言っても、



-キーンコン



予鈴は鳴っている。






「あーあ、走った意味ねぇし」




先輩…



もう下ろしてくださいぃ…







あたしは、未だに先輩に担がれたまま。






「あ、ごめん。お前担いでたの忘れてたわ」








『ははは…そぅですかぁ』





もう気力も体力もないあたし。





「お前何組なの?」





『いちねんよんくみれす…』






うまく舌が回らない。




「よん?よんっつった?」




はい。はい。


と言うように何度も頷く。





「あー、じゃあ仕方ないから四組まで連れてってやるから」





あたしはまた先輩によって担がれた。





もぅ、恥ずかしさとかドキドキとかそんなのない。





もはや、早く教室に…




という願望。