先輩は、板倉先輩に掴まれている手を解いて、あたしのところまで戻ってきた。 「一緒に帰りたい?」 『え……』 あたしは、大きく目を開いた。 だって、すごくびっくりした。 そんなに直球で聞かれるなんて… 『……えっと…』 「まあいいや。ついてこいよ。雑用一緒にやろっか。終わったら帰ろ」 先輩…… あなたはどうしてあたしの心を締め付けるような言葉を言うの…? あたし、先輩のこと好きになっちゃうじゃん。 『じゃあやります!』 あたしはそう返事をして、笑ってくれた先輩の後ろを歩いた。