ほしいのはキミ





放課後になり、あたしは校門へ向かった。






校門の前には、先輩が立っている。







『先輩!』




「お、来た来た」




先輩はそう言って笑っている。






『あの~……』





「あぁ、今朝電車一緒だったから途中まで一緒にどうかと思ってさ」





やっぱり…!



一緒に帰ろうってことだったんだ。






すごく嬉しい。





「じゃ、行くか」





『あ、はい』






先輩の後ろを歩こうとしたときだった。





「岳~!!」




後ろから、先輩を呼ぶ声がした。








その声にあたしと先輩は振り替える。






「岳のバカ~っ」





そう言って先輩のもとに女先輩が駆け寄った。






「忘れてた!雑用あんじゃん!」




「そうだよ!早く教室行くよ!」







板倉と呼ばれる先輩が尾形先輩の腕を掴む。









先輩、連れていかれちゃうの…?



一緒に帰れないじゃん……。







「………」


「岳、どうしたの?」




お願い先輩。



連れていかれないで…。






「ごめん板倉、ちょっと手放して」






「岳?」