ほしいのはキミ





「えっ、ちげぇの!?」



「コイツは後輩」





あたしはそう紹介されて、長谷部と呼ばれる先輩に頭を下げた。





「なんだ…そうなのか。ごめんな」




長谷部先輩はあたしの頭を撫でた後、去っていった。







なんか…あたし今日いろんな人に頭撫でられてる気が…。






「じゃ、俺も戻ろっかな」





え……



先輩が戻っていくのが寂しく感じられる。








『先輩…』




「ん?」


気付いたらあたしは、先輩の服の袖を掴んでいた。








「どうした?」








“寂しいです”


なんて恥ずかしくて言えない。





やっぱなんでもないです


と言おうとしたとき、









「今日放課後に校門前な」




え…


先輩はそう言ってあたしの頭を撫でたあと、戻っていった。