「ほら、立てよ」
先輩があたしの手を引っ張って、あたしを立たせてくれた。
「わりぃ~っ!ボール当たったよな?」
ボールが飛んできたほうから一人が謝りに来た。
『いぇ……』
「げっ…泣いてる!?マジでごめん!」
と、すごく焦りながら謝ってくれている。
『ホント、大丈夫なんで…』
「よかったな!長谷部」
「おぅ~。岳の彼女にぶつけちまってホント焦った」
んん~!?
“岳の彼女”?
誰が? あたしが?
『あの~、あたし彼女じゃないです』
というあたしはどれほど恥ずかしいものか。
できれば先輩の彼女になりたいな…なんて思うけど。
ってまた違うから!!

