ほしいのはキミ






「今朝はたのしかったな!」







いやいや、とんでもない。



しんどかったです。





「岳!早く来いよ~!」





「やべ、呼んでるわ!じゃあな」






『はいっ!』




先輩が後ろを向いたときだった。





-ガツッ



『……っ!』





あたしの後頭部に勢いよくボールが当たった。










あたしはその場にしゃがみこんだ。







痛いぃ~。





「お前大丈夫か?」







顔を上げると、戻っていったはずの先輩があたしの目の前にいた。








「ははっ、お前泣いてんのか?」





『えっ……』




「痛かったろ?」






そう言いながら先輩があたしの頭を撫でた。







あたしの頭を撫でる先輩の手が優しくて……




あたしは涙がでた。







『痛いよぉ~っ…ひくっ…』






「お前子供じゃねぇんだから…」